【開催報告】福島市子ども食堂NET研修会
福島市内の子ども食堂ネットワークである
「福島市子ども食堂NET」
8月6日に
福島市内の子ども食堂運営者を始め
福島県こども・青少年政策課、福島市社会福祉協議会、助成元団体など
16名もの方々にご参加いただき研修会を開催いたしました。
コロナの中で感染リスクを低減するため
オンラインと会場の2元中継で実施。
そして今回は
愛知県津島市より「つしまこども食堂」谷口様
東京都杉並区より「リベルタこども食堂」福田様の
お二方をオンラインで講師にお迎えし、
取り組みのご紹介をして頂きました。
【つしまこども食堂】谷口雅子様
〇つしまこども食堂開催地域
名古屋の西に位置し、総人口6万2千人
20歳未満人口1万600人
小学校は8校、中学校は4校、小学生は2900人程度でどんどん高齢化率が上がっている
〇つしまこども食堂について
2015年12月始動
2016年3月プレイベント(餅つきを開催)
2016年5月スタート
大人は寄付、こどもは無料
不定期開催、大体月1回、日曜日
今年で5年目になる
〇つしまこども食堂の愉快な仲間たち
大学生から60代まで、学童保育の保護者OBの集まりで男性が多い
厨房担当‥栄養士のスタッフがレシピを決定し、チームワークは抜群。美味しいご飯を作る担当で仲の良さが手際の秘訣。
毎回楽しそうな女性チーム。
外班、事務作業、段取り担当、広報担当、福祉分野担当、行政担当、学校担当など
得意分野を生かして各々働いている
〇コロナの影響で食事の提供ができない4月、5月について
4月は100セット、5月は200セット
(フードバンクからの寄付など)
1セット→紙袋2つとビニール袋1つ(米、ポカリ7本、玉ねぎほか)
〇特徴的な事例
1.学校施設での活動について
小学校の校庭を借りて、夏は流しそうめん、秋は焼き芋、冬は餅つきなどの特別企画を開催。子ども写真教室や少年団や他の団体とのコラボもあり。
2.「大人食堂」開催
昨年8月に開催。夕方から夜にかけて開催。食事はバイキング形式。スタッフの持ち寄りや寄付されたお酒を会費制にて提供。食事を作り続ける厨房班、野外ライブ、親子連れも多く、ゆったりとした癒しの時間となった。
3.市の新型コロナウィルス対策事業「子ども食堂応援事業」
つしま市から子育て家庭の生活支援として、市内事業者支援のため、市内でこども食堂を開催する団体が、市内事業者から食料などを購入するための補助を行う事業。8小学校区で一回ずつ開催予定。
4.近隣市町村との連携
隣接する愛西市3ヶ所と稲沢市1ヵ所の子ども食堂が繋がり、新型コロナウィルスの影響でこども食堂が開催できない中で、「今、自分たちができることを、できる範囲で、できる限り」やろうと合同フードパントリーを企画。
5.今後について
活動を継続していく中で、子ども食堂が仲介役になり、「あたたかい想いややさしい心」が広がっている。
現在はコロナのせいで子ども食堂という形で開催できないが、無理に続けていくのではなく今できることをできる範囲できる限り続けていくことが必要である。
【リベルタこども食堂】 福田恵美様
🔷リベルタこども食堂は2年前から始めたが、NPO法人こどもプロジェクトとしては16年前から難病の子ども達の支援、理事長福田さんが立ち上げ、普段は東京で活動を行っている。
〇2011.3.11東日本大震災後の福島母子支援
1.震災当初、赤坂プリンスホテル地下での学習支援
2.千代田区、江東区、中野区で学習支援や英会話サロンを開催。
3.避難ママたちの中国料理教室
食育講座。月1回、本格レシピに玄米調味料を取り入れた四川料理教室を開催。毎年リピーターの方でいっぱいになる人気講座。
4.ビーンズふくしまとのコラボ事業
2012年~2014年
福島県内の少年野球チーム約60名を明治神宮球場に招待し、東京ヤクルトワローズの選手5名の野球教室を開催。
5.長野県上田での保養活動 ふくしまっ子夏の学校
2014年から、ふくしまっ子 夏・冬・春の学校(2泊3日)を上田市で開催。福島県内の子どもと家族、東京に避難している親子が約60名参加し、上田地域の方との交流。自然体験や食育プログラムを行い、信州上田を様々な角度から味わう。
6.福島のママたちと地域のママたちの交流・居場所 フリースペースLiberta(杉並区阿佐ヶ谷)
避難親子の自立、生きがいづくり、また長期心の心のケア等
7.2017年12月 杉並区阿佐ヶ谷にカフェLibertaカフェ常設
Libertaとは‥
・健康的な食生活を送るためのヒントを得る
・地域で活動しているママたちとのイベント、交流の居場所
・長野県上田市での保養の必要性を伝え、寄付に繋げる
・料理教室、ヨガ教室、パラパラ漫画、プラバン、ライブ、映画鑑賞など随時開催
・2018年リベルタこども食堂スタート
〇リベルタこども食堂で地域の方々とのつながり
1.無農業野菜や発芽玄米調味料などを使用し、子どもたちが健康になるための手作り料理を提供している
2.運営‥子どもは無料、大人は300円~ご寄付(企業や地域住民から食材など様々な寄付がある)
3.防災の拠点としてのこども食堂
子どもの貧困対策、虐待、DV防止など様々な目的でこども食堂を開催している。
リベルタこども食堂では地域コミュニティづくりとなり、備蓄食材の寄付も多いため「防災の拠点」という視点を入れ防災の勉強会も開く。
4.コロナ禍での食堂の変容
①コロナ禍でのリベルタこども食堂~パントリーと宅食~
地域に向けて自粛ストレスの緩和
・ランチテイクアウト 月4回(3月、8月など)70食完売
・パントリー 月4回 約20家庭
②寄付協力
セカンドハーベストジャパン、杉並区の社協、直接連絡してくる企業等
③貧困家庭に向けて個別相談
・子ども宅食(約20家庭)月2回
〇成蹊大学フードバンクモデル事業企画
・自治体を超えた広い地域で要支援の子どもたちに寄り添えることができる
・大学生がボランティア活動をし、社会活動の実践の場となる
・フードロス軽減など様々な効果がある
たくさんの学びと気づきがあったあっという間の2時間。
「コロナで失業、倒産、収入の減給が増えている方へ、月に1回でもお弁当を提供することでご寄付を頂いた想いと共に、あなたはひとりじゃないと伝えていきたい。」
と、谷口さん。
そして
「地域に気付かれず、本当に困って苦しんでいる子がいるかもしれない。ニュースで報じられるような事件を2度と起こしてはならない」
こちらは福田さんのお言葉です。
新型コロナウイルスは各家庭にも子どもたちにも
とても大きな影響を及ぼしていますが
お二方は歩みを止めずに
「今できること」に全力で取り組まれていらっしゃいます。
杉並区、津島市そして福島市。
場所は離れていますが
これからも全員で繋がりあって
子どもたちの為、地域のために取り組んでいきたいと思います。
谷口様、福田様
参加して頂いたみなさま
本当にありがとうございました。