ひとりぼっちのないまちへ 10月25日講演会報告

福島市子どもの居場所づくりバックアップ本部主催

ひとりぼっちのないまちへ

~地域での出会いから見えてきたこと~

10月25日ふくしん夢の音楽堂にて講演会&クロストークを開催いたしました。

 

 

□講演:ひとりぼっちのないまちへ
□講師:こどもソーシャルワークセンター理事長 幸重忠孝氏

児童指導員として児童養護施設で出会ったひとりぼっちの子どもたち

スクールソーシャルワーカーとして学校で出会ったひとりぼっちの子どもたち

家庭に居場所がない子に対し、先生がどれだけ頑張っても、学校が休みの日、下校後は何もできない。

 

 

まちのひとがひとりぼっちのこどもをささえる「まちのこどもソーシャルワーク」

「まちのこどもソーシャルワーク」をする上で工夫していること

・まちの大人たちに手伝ってもらう。

・子どもの数より大人の数を多くする。

→子どもが大人に十分に甘えられる状況が整っている。

 

・地域にある建物(商店街の空き店舗、町屋、老人ホーム、空き家や倉庫など)や人の力を組み合わせて、豊かなものを作り出す。

なぜ地域の子どもの居場所づくりに関わっているのか

週1回の地域の居場所が、自分のガス抜きと1週間頑張る力になっていた。

滋賀での居場所づくり
「トワイライトステイ」(ターゲット型)
週2回、17:00~21:00
決まったプログラムはなく、だらだら過ごすがコンセプト。
入浴:銭湯に連れて行き、一緒に入浴する。銭湯に行くことで、地域のいろいろな大人(子どもを叱る大人、牛乳を奢ってくれる大人など支援者にはいないような大人)との出会いやコミュニケーションができる。
送迎:子どもの家まで送り迎えを行い、子どもの親と会うことで、信頼関係を築いたり、問題を発見し関係機関に繋げたりする。

「寺子屋」(オープン型)
※オープン型:特定の子だけでなく、誰が来ても良い。オープン型にすることで、問題を抱える子を発見出来たり、地域の人に特定の子が来るところと認識されずにすんだりする。
まちの大人が子どもと関わる。勉強を教えられなくても、声をかけるだけでも子どもたちに良い影響がある。

「学校内居場所カフェ」(定時制高校と協力)

「すしっこクラブ」(まちのお寿司屋と協力)

「ブランドTシャツ」(企業とコラボレーション)

必要な子どもに居場所がある意味
子どもが逃げる先は、児童相談所などではなく、自分を大事にしてくれる人のところ。
子どもの居場所は、子どもが何か必要な時に助けてと言える場。

 

 

□講演:ひとりぼっちのないまちへ
・講師:せんだいこども食堂共同代表 門間尚子氏

 

こどもたちの悩み

ほとんどの子どもが誰にも相談しない。

相談しても、相手はほとんどが友達。友達に話してもたいていは解決しないままになる。

子どもたちの悩みは、大人たちの悩みと重複している。子どもたちの背後で、大人たちも悩んでいる。

「自分はひとりだ」そんな気持ちでいっぱいになったとき、

なにがあったらそんな気持ちは、やわらぐのだろうか?

相手のことを、私事として考えることが大事。

 

こどもの「3つの孤立」
家庭、学校、地域のすべてから孤立してしまうと、子どもの死が近くなると言われている。

不登校・ひきこもり・自死の状況から

子ども食堂に来ない子にも関わるため、学校内でカフェやこども食堂を行っている。

義務教育中に地域の人に関わることで、子どもたちの命綱になる。

生きるために必要な5つの力

安心が当たり前じゃないと夢や明日を考えられない。

子ども食堂では、いろんな大人たちと関わることで、子どもたちは自尊感情を育んでいく。

こども食堂

こども食堂は、食、子育て、生きがい、健康、地域活性、貧困の要素がある。

支援者、子ども、地域の人でいくらでも形を変えていける。地域既存の行事にも入っていける。

一度あげたこぶしは下ろさない。

あなたは一人ではないよと、子どもにも大人にも伝え続ける。たくさんの人と繋がりながら。

 

□クロストーク
・講師:こどもソーシャルワークセンター理事長 幸重忠孝氏(以下、幸重氏)
・講師:せんだいこども食堂共同代表 門間尚子氏(以下、門間氏)

 

コーディネーター:「子どもの声を聞く秘訣とは?」
幸重氏:
子どもがどんな状況に置かれていても、時代が変わっても、変わらない。大人が子供に対し、フィルターをかけて見ているので変わったと感じるのではないか?
仕事で関わる子どもに対しては、子どもを分析し、子どもではなく子どもの背後を見てしまっている。居場所では子どもとただ過ごしている。専門家としてどこかで関わり方などについて考えている自分がいるので、そこは忘れようと思って関わっている。

門間氏:
話す回数が少なめでも、親しみを持ってくれる様な格好で接する。
その他、苗字ではなく名前呼びをする(たくさん呼ぶ)、目線は子どもより下にするなどに気を付けている。
シンプルなことで良い。これらは、誰にでもできる。

 

コーディネーター:「地域のあたりまえのよさとは?」
幸重氏:
いろいろな世代の人がいる。子どもたちにとって世代が異なる人の話す内容は、新鮮。特に、恋愛の話などをすると驚きがあるようで、盛り上がる。

門間氏:
子どもが危ないことをしたとき、様々な声掛け、想い(自分のために怒る人もいれば、子どものために怒る人もいる)で怒る。
地域の大人は、多様性のある関わり方をするので、いろんな形で子どもに伝わる。そして、子どもたちは、様々な選択肢から選ぶことができるようになり、育まれていく。

コーディネーター:「今の学校、地域を考えたとき、居場所の役割とは?」
幸重氏:
多くの先生は、生徒を大事に思っていて、親にも寄り添っている。頑張っている先生は注目されず、地域の人は、先生が悪いことをしたニュースに引っ張られてしまう。
そのように分断された社会にアクセスすることが居場所の役割。
子ども食堂であれば先生たちも行きやすい。ひとつでもうまくいった経験を学校が作っていくことが重要。

門間氏:
先生たちは、子どもの居場所について前のめりで聞くが、行くのはハードルが高い。その時は、一人の地域に生きる大人として見てほしいと伝えると、来るようになる。
学校に地域の人が行く際には、学校についてHPなどで下調べをしてから行くように伝えている。

居場所がなかったら、会わなかった人に出会うことができた。
居場所がなかったら、中高生と同じところ、目標に向かって走ることができなかった。
居場所をやっていると、「ありがたい」や「幸せ」と感じる量が増え、とんでもない回数言うことができる。

 

 

HPにはダイジェスト版での掲載となります。(ニュアンスが違う表現がありましたら申し訳ありません)

 

ご登壇頂いた幸重さん、門間さん

臨場感あふれる会場にお越しいただいたみなさま

ブログを読んでいただいたみなさま

本当にありがとうございます。

 

子どもたちのため

ひとりぼっちのないまちをつくるため

つながりあって共に進んでいきましょう!